わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

禁忌の子/山口 未桜【レビュー】

★★★★★

話題になるのも頷ける。
デビュー作にしてハイクオリティ。

物語は、身元不明の溺死体が救急医・武田の元に搬送されて来た場面から始まる。
死体は武田と瓜二つの顔を持っていた。

冒頭から一気に引き込まれた。

旧友で医師の城崎と共に調査を進める中で見えて来る真実に声を失う。

巧みなミスリードと緻密に張られた伏線、後半は息を詰める展開で犯人と動機が判明した瞬間は驚愕のち慟哭。
思いもよらぬ真相に切なさが込み上げた。

生殖医療の意義を問いながらミステリーとしても秀逸。

医療×ミステリー×人間ドラマ。
第34回鮎川哲也賞、満場一致に納得。




  • 人気のレビュー
  • 関連するレビュー

気軽にコメントどうぞ

*
*
* (公開されません)