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-196℃のゆりかご/藤ノ木 優【レビュー】

★★

本作の主人公、18歳のつむぎは幼い頃に両親を亡くし、義母の奈緒と二人暮らし。

義母はパニック障害の持病を抱えており、つむぎは家の中でも絶えず気を張って生活している。
互いに他人行儀で、家庭の温かさは微塵も感じられない。

ある日、義母の奈緒が倒れ、病院へ駆けつけたつむぎに明かされた真実は残酷だ。
タイトルの -196℃は凍結胚を保つ為の温度で本作の鍵となる。

性暴力による望まぬ妊娠もあれば、妊娠を切望する女性もいる。
不妊治療に一縷の望みを託す、切なる思いが伝わって来た。

それでも尚、つむぎのルーツには疑問が拭えなかった。




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