わたしは栞を挟まない|sayuriの読書ブログ

ミュゲ書房/伊藤 調【レビュー】

★★★★★

心地良い余韻に包まれる。

本の魅力を存分に感じる事が出来る素敵な作品だった。

新人作家を潰してしまった若手編集者・宮本章の成長を描いたお仕事小説でありながら、人と人との絆に何度も心打たれ読み進むに連れ心の中が温かい物で満たされて行く。

普段、何気なく手にしている一冊の本。
完成までに多くの工程と人の手が費やされる。

幾度となく繰り返される挫折。
それを乗り越えた先にある一冊の本の誕生に登場人物と共に深い喜びを感じた。

フランス語でスズランを意味するミュゲ。
スズランの花言葉に想いを馳せ、読後は紙本への愛おしさが倍増する。




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