★★★★★
圧巻。
引きこもりを題材にした作品の中で過去イチ良かった。
物語は、長い引きこもり生活の末に罪を犯した草鹿秀郎と、事件の真相を追う刑事・奥貫綾乃の視点で交互に語られる。
たらればを言ってもしょうがない。
だが、中学時代のいじめがなければ…。
就職氷河期のタイミングと重なっていなければ…。
一人でも彼の存在を肯定する人がいたら…。
何かが少しだけ変われば彼の人生は全く違うものになっていただろう。
引きこもり問題を深く掘り下げた社会派小説であるが、上質なミステリーでもある。
ラスト二頁で彼の想いが胸に迫る。
余韻冷めやらぬ読後。
はじめまして。
255文字で本の感想を書いています。
選書の参考になれば嬉しいです。
☆受賞歴☆
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第5回 ベストレビュアー賞受賞 「僕が僕をやめる日」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第6回 優秀レビュアー賞受賞 「かがみの孤城」
読書メーター×ダ・ヴィンチ 第7回 ベストレビュアー賞受賞 「逆ソクラテス」
ブクログ BEST USER AWARD 2023 Silver賞